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コロナ禍により、リアルビジネスを行っていた企業の多くがECに参入。目指すはリアルとデジタルが融合したOMO、そしてDXだが、そのためには商品情報がきちんと管理され、それぞれのチャネルで最適に表示されること、すなわちPIM=Product Information Managementが不可欠である。EコマースにおけるPIMの重要性とは?
ECZine編集部:コロナ禍をきっかけに起きている、Eコマースに関する変化をどのように見ていらっしゃいますか?
菊池(Contentserv) 大きく分けると、消費行動の変化、企業のビジネスモデルの再考、働き方の変化ですね。とくにEコマースについては、高齢年層の利用が増加するなど、性別や年代を問わず当たり前に利用するチャネルとして定着しつつあり、消費行動のデジタルシフトがこれまで以上に勢いを増しています。メーカーやブランド企業は、消費者の価値観の変化や行動変化に速やかに対応する仕組みづくりを進めています。D2Cの本格的な幕開けとも言えます。また、輸出がままならなくなり、日本向けの商品を新たに作ってEコマースで販売するなど、「日本回帰」にデジタルが活用されている様子も見受けられます。
BtoCに限らず、ここ数年間、昨年比30%増の割合で成長を見せるBtoBのEコマース市場もさらに加速しています。そして、Eコマースサイトで売るための商品コンテンツ制作にかかわるマーケティング、Eコマース、セールスの業務は在宅のリモート環境下から行われるようになりました。ビジネスの構造が根本的にデジタルへと書き換えられている中、いずれの変化も、企業が持つ情報資産をデジタル化し、部署を超えて、時間と場所を問わずコンテンツにアクセスできるコネクテッド環境を構築しなければ対応できないものです。
原(アドビ) アドビの調査によれば、リアル店舗のみを利用していたユーザー、リアルとデジタルを併用していたユーザーのどちらもが、オンラインでの購買に移行したと回答しています。コロナが収束した後もオンラインでの購買を継続するかとの質問に対し、54%がオンラインも利用し続けると回答しています。オンラインで注文して店舗で受け取るBOPIS(Buy Online, Pick-up In Store)の利用も進んでいることから、消費者のライフスタイルにあわせた顧客体験を提供する必要があります。単にECサイトを構築し、商品を掲載するだけではなく、消費者の行動データをオン・オフ問わず取得し、それを元に顧客に最適化されたエクスペリエンスを提供する「エクスペリエンス主導型コマース」の構築が重要だと言えます。
菊池 たとえば先進的なスーパーマーケットでは、カートに電子掲示板を付け、その顧客に最適な商品情報を表示するといったエクスペリエンスを提供しています。顧客体験を最適化するためには、ユーザーの行動データだけでなく、商品情報も重要な要素ですね。
ECZine編集部:商品情報の話が出ましたが、「Contentserv」はオムニチャネル商品情報プラットフォームであり、日本ではまだ認知が低いPIMの重要性を提唱されています。PIMについて詳しく教えていただけますか?
菊池 PIMとは、Product Information Managementの頭文字をとったもので、直訳すると商品情報管理です。商品にかかわるあらゆる情報を一元管理し、さまざまな販売チャネルに連携して利用できるようにする情報管理=コンテンツマネジメント手法です。
自社のソリューションを例に説明すると、「Contentserv PIM」には、オンボーディング、コラボレーション、パビリケーションという3つの枠組みがあります。オンボーディングは、社内外のさまざまな部署やシステムと連携し、それらのシステムで管理されている異なる形式の商品データを取り込み、共通のデータ構造に変換する機能、枠組みのこと。コラボレーションは、部署や組織を超えて業務プロセスを効率化し、マーケティング、Eコマース、セールスのメンバーがすぐに利用できるよう、商品情報をコンテンツとしてリッチに、より洗練させていく枠組みのこと。パビリケーションは、オン・オフ問わずそれぞれの販売チャネルに最適なフォーマットに自動変換してパブリッシュ(公開)する枠組みのことです。
詳細は、下記のECZine および MarkeZine記事をご覧ください。
⬛️掲載メディア記事
「Contentserv×アドビ連携 PIM活用でつながり続けるエクスペリエンス主導型コマースを実現」