「四角いテーブルトップに4本脚の木製テーブル」-家具小売業者やメーカーだけでなく、お客様も、家具の情報がそんな単純なものではないことは理解しています。しかし、商品のライフサイクルに関わるすべての人にとって重要なのは、まさにこうした具体的な商品情報であり、それを効率的に管理することが、家具販売店にとって成功の必須条件となるのです。」
Contentserv Europe マネージングディレクターManuel Dirnhofer(取材当時)
広範囲のデジタル化、例えば商品情報管理システム(PIM)の導入は、決して簡単なことではないのは事実です。しかし、Manuel Dirnhoferは多くの実例を上げながらPIMシステムが小売業者にもたらす利点について説明しています。
※本記事は、リテールマーケティングに特化したメディア iXtenso.com におけるManuel Dirnhoferのインタビュー記事の日本語訳です。
-Manuelさん、デジタル化は非常にホットなトピックですが、小売業ではどれくらい進んでいますか。また、不十分だと感じる点はありますか。
- Manuel : 小売業をデジタル化することは、間違いなく大仕事です。しかし、インターネットによる競争は激しくなる一方で、小売業者にとって避けて通れるものではありません。オンラインショップはあらゆる分野で雨後のタケノコのように誕生し、その市場シェアは徐々に拡大しています。 Amazonのような国際的なビッグプレーヤーに加え、Zalando、楽天のように各国を代表する企業もあり、eコマースに革命を起こしています。
10年ほど前は、試し履きできないオンラインで靴を買うことなど想像もできませんでしたが、今では現実化しています。家具産業も靴同様、商品の質感を伝えることが大切な産業のひとつですが、この分野においてもwayfair.comのようなオンラインショップや、ドイツのhome24.deやmoebel.de、日本のhttps://www.low-ya.com/やのショップ、それが可能であることを示しています。
- デジタル化が特に家具業界において理にかなっているのはなぜでしょうか?
- Manuel:家具業界は活況を呈しており、多くの消費者は、オンラインショッピングのメリット、つまり24時間365日営業していて、品揃えはほぼ無制限、優れた比較機能、場所を選ばないアクセスなど、これらなしにはいられないと考えるようになっています。そのため、小売業者には、オフラインとオンラインの世界を結びつけ、店頭、ウェブショップ、ソーシャルメディアにおいて、等しく顧客の心を動かすことができるようにすることが求められています。
そのためには、商品をただ鮮やかに、魅力的に見せるだけでは不十分です。「この家具はうちの階段を通るか」「配送はいつになるのか」「待ち時間はあるのか」など、購入判断に関わるあらゆる疑問に適切に答え、明確に伝えることが重要です。
Source: Rudolf Leiner GmbH
-オンラインサービスの成功はどのような要因で決まるのでしょうか?
- Manuel: オンラインショップの成功は、商品情報の質と一貫性に左右されます。結局のところ、それが潜在的な顧客の感情に訴える唯一の手段なのです。もちろん、寸法や素材、形状などの情報は重要です。しかし、人々にインスピレーションを与え、購入につなげるためには、高品質な商品画像、アニメーション、動画、あるいはBGMなど、それ以上のものが必要です。こうしたデジタルアセットがあってこそ、家具をバーチャル体験してもらうことができるのです。
オンラインショップですべての商品情報とイメージがデジタルで提供され、加えてPOSで販売員も見ることができれば、バーチャルリアリティや3Dビジュアライゼーションなどのテクノロジーは、広告に効果的な驚きをもたらすでしょう。新しいソファを実際に自分のリビングルームに置いて、さまざまな色やバリエーションを試すことができればすばらしいですよね。