Statista社によると、2019年の世界のB2Beコマース業界の規模は12.2兆米ドルとなり、B2Ceコマースの規模の6倍を超えました1。また、市場調査会社 Inkwood Research(インクウッド・リサーチ)の調査によると、世界のB2B eコマースの市場規模は、2022年から2030年の予測期間中にCAGR21.07%で拡大すると予測されています。これら数字に基づくと、将来のeコマース、少なくとも近い将来についてはB2Bが支配的といえるでしょう。しかし、上位5つのB2Bマーケットプレイスをご存知でしょうか。現在はAmazon BusinessとAlibaba.Comが群を抜いていますが、B2Bマーケットプレイスのトップ5を詳しく見ていきましょう。
Amazon Business
キャッチフレーズ「Everything you love about Amazon. For your business(あなたが評価するAmazonのメリットを、ビジネスで)2」がすべてを言い表しています。つまり、企業は登録するだけでプラットフォームを使用してビジネス用品の購入を始めることができます。また、経営者がユーザーを複数追加して、代理で購入してもらうことも可能です。「承認ルール」により、購入者は注文について承認を依頼でき、また、優先サプライヤーや商品のリストを作成することもできます。Amazon Businessでは、「購買分析ダッシュボード」も提供しており、アカウント管理者は支出とその対象を確認できます。
主な特長
- 価格の割引。限定の割引、値下げ、大口割引を提供しており、数百万の商品にアクセスが可能です。
- 配送。Businessプライム(条件に応じて、当日、翌日、2日後の配送)、Amazonによるフルフィルメント(ユーザーの選択)、配送料無料(該当商品の$25以上の注文で)、パレット輸送(ドックまたはドアステップ輸送)の3つのフルフィルメントオプションがあります。
- 支払い。カードまたは信用枠による購入および利便性と費用節約のための免税プログラムを提供しています。
- スポンサープロダクト広告。検索結果の1ページ目や、商品詳細ページなど、あらゆるステップで買い物客がブランドを目にするように支援します4。
- 商品コンテンツの強化。CADファイル、画像、動画、アプリケーション、ユーザーガイド、マニュアルなどの重要な商品情報を提供することにより、企業の掲載順位の改善を支援します。
主なメリット
Amazon Businessは、「当社の年換算ランレート100億ドルのうち、サードパーティーセラーの割合は50%以上」と述べています。さらに、一時的または戦略的な購買のどちらにも対応するワンストップのプラットフォームであるため、企業の支出の管理に役立つと自信を持って主張しています4。
Alibaba.Com
当初は職業別電話帳だったAlibaba.comは、現在では「to make it easy to do business everywhere(あらゆる場所で簡単にビジネスをするための)5」包括的な取引プラットフォームです。中心となるのは中国の製造業者かもしれませんが、世界中の数百万のバイヤーとサプライヤーにサービスを提供しています。「中国のAmazon」と呼ばれることが多いAlibaba社は、両者の仲介業者として機能しています。企業はAlibaba.comに無料で商品を掲載するか、さらに露出を増やすために費用を支払うことができます。Google社が企業向けに提供しているサービスと同様です。
主な特長
- 商品の検証。商品の品質を検証し、合格すれば「検証された主力商品」に指定されます。
- トレードアシュアランス。配送が遅れた場合、または間違った商品が送られた場合に、頭金をカバーできる額の返金を受けられます。
- 支払い。Alipay(PayPalと類似)、銀行送金、信用状、Western Union、エスクローにより、安全性と柔軟性を提供します。
- 通関データ。米国の小売業者に対し、Alibabaで取引を行う外国のサプライヤーの公開貿易記録へのアクセスを提供します6。
主なメリット
無数のサプライヤーへのアクセスのほか、企業はきわめて低価格での購入や、高い小売価格での販売が可能です。同じく重要なのは、Amazonとは違い、Alibabaは顧客と競合することがなく、ビジネスモデルがソフトウェアベースであるため倉庫や物流に投資する必要がありません。同社の理念は2社間のビジネスを推進することです。
楽天市場
「日本のAmazon」と呼ばれる楽天市場は、Buy.comを買収しAmazonおよびeBayと競合するようになるまでは、基本的に日本のマーケットプレイスでした。楽天は米国での競争力を高めるためにEbates.comを買収し、顧客がスーパーポイント(商品価格の1%)を取得して次の購入に使用できるようにしました。販売者は楽天による承認後、販売が可能になります。
主な特長
- パーソナライズされた店舗画面。企業が自社ウェブサイトと似たデザインにすることが可能なため、自社のアイデンティティとメッセージを紹介したり、管理したりできます。
- カスタマイズされた商品ページ。企業が詳細な商品情報、画像、デモ動画など、リッチな商品コンテンツを提供することが可能です。
- カスタマーサポート。販売者に対し、トレーニングとガイダンス、および専用eコマースコンサルタント(ECC)を提供しています。
- Eメールマーケティング。提供されるニュースレターに似たツールR-Mailを使用して、販売者は既存顧客に最新情報や商品情報を送ることができます7。
主なメリット
Alibabaと同じく、楽天は顧客と競合することはありません。楽天で競争があるのは販売者間のみです。素晴らしい体験の提供に力を入れており、販売者に価格だけではなく、ホスピタリティやカスタマーサービスで競争するように勧めています。
IndiaMART
キャッチフレーズ「To make doing business easy(ビジネスを簡単に)」は、Alibabaのものと非常に似ています。インド最大のB2Bマーケットプレイスであり、9,800万人以上の購入者、590万以上のサプライヤー、6,600万以上の商品およびサービスを誇っています8。
主な特長
- 二方向ディスカバリー。Eメール、SMSまたはIndiaMARTを通じて、マーケットプレイス上での購入者とサプライヤーの発見を支援します。
- 支払い保護プログラム。無料サービスIndiaMART Payment Protectionにより、信頼性の高い安全な取引を提供します9。
主なメリット
IndiaMARTは、他のマーケットプレイスと比較した場合の独自の優位性を「reach, brand recognition, breadth and quality of suppliers and product listings, pricing and customer service(リーチ、ブランド認知、サプライヤーと商品の幅広さと質、価格およびカスタマーサービス)10」であると述べています。
Global Sources
LinkedInのページには、「Global Sourcesは、業界をリードするB2Bメディア企業であり、見本市(GlobalSources.com/exhibitions)、オンラインマーケットプレイス(GlobalSources.com)、雑誌、アプリなどの英語メディアを使用してアジアと世界の貿易を推進する主要企業です)11」と述べられています。Alibabaと同じく、世界の貿易を推進するという目的を持っています。ただし、Global Sourcesは香港の見本市と密接な関係を持っているため、偽造品の問題がありません。
主な特長
- サプライヤー検証システム。登録情報を独立した第三者が確認することにより、サプライヤーが信頼されるイメージを構築できるよう支援します12。
- サプライヤー能力評価。購入者が生産施設、生産能力、商品品質に基づきサプライヤーを監査できるようにしています。
- UI/UX。使いやすいインターフェースにより簡単なナビゲーションを実現し、柔軟な検索エンジンで利便性を提供します。組み込みツールでインサイトを提供しており、サプライヤーと商品を比較できます13。
主なメリット
Global Sourcesの主な注目点は信頼性の保証です。サプライヤー数はAlibabaの100万社に対して15,000社ですが、そのすべてが厳格な選別プロセスを経ています。
まとめ
簡単にまとめると、B2Bマーケットプレイスは成長しています。eコマースを開始したばかりの企業や、ウェブショップを支える仕組みを探している企業にとって、良いテストの場になります。これら上位のB2Bマーケットプレイスにはそれぞれ独自のセールスポイントがあり、合う場合と合わない場合があることは注意しておくべきでしょう。
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