建築・エンジニアリング・建設(AEC)業界は、より費用効果の高い、サステナブルな建物という方向へ向かっています。それには、無数の理由があります。例えば 、世界各地で起きている気候変動、人口の都市への流入などがあげられます。
未来はビルディング インフォメーション モデリング(BIM)にあり
大部分の未来の住宅とインフラプロジェクトは、BIMを利用すると予測されています。BIMは、3次元モデルをベースとした合理的なプロセスで、建物、橋、高速道路、トンネルなどの建設・インフラプロジェクトにおいて、AEC関係者が、より速く、より経済的で、環境に優しい方法で共同作業・作成・管理できるようにするものです。これには、仮想空間でのプロトタイプの作成とシミュレーションも含まれます。
では、なぜ建築製品メーカーはBIMを重視すべきなのでしょうか?オートデスクによると、75%のBIMユーザー(AEC関係者)が、将来のプロジェクトでBIMオブジェクトを提供できる建物製品メーカーのみを採用検討すると述べています。
BIMオブジェクトとはいったい何でしょうか
BIMオブジェクトは、次のような詳細な製品情報を含むデータファイルを言います。
- 形状または物理的特性(例:高さ、長さ、幅)
- 視覚情報(例:ざらざら感・柔らかい、不透明・透明)
- 機能情報(例:開閉する、へこむ・飛び出す、スライドする)
簡単に言えば、BIMオブジェクトは製品のデジタルアバターまたは3D表現です。BIMオブジェクトには以下の2タイプがあります。
- コンポーネントオブジェクト 幾何学的形状が固定された建築製品(例:窓、洗面台、トイレ)
- レイヤードオブジェクト 形状やサイズが固定されていないオブジェクト(例:フローリング、屋根、壁、天井)
これらのコンポーネントは、さらに以下の2つに分類されます。
- ジェネリックオブジェクト(ライブラリオブジェクト) 初期設計段階でプレースホルダとして使用される
- 特定オブジェクト(メーカーオブジェクト) 実際の建設7に使用される
BIMオブジェクトは、Revit ArchitectureやBentley AECOsim、Nemetscheck Vectorworks、Graphisoft ArchiCADのようなBIMソフトウェアとも互換性が求められます。
さらに、BIMオブジェクトは 、buildingSMARTが開発した(オープンな)世界標準である、Industry Foundation Classes(IFC)などのオープンな交換形式に対応している必要があります。オープンな標準は、複数の利害関係者が使用している可能性のあるさまざまなソフトウェアアプリケーション間で相互に運用が可能になるため不可欠であり、BIMのキーポイントでもあります。
BIMオブジェクトに関する規制
世界中でBIMオブジェクトに関する規制の推進が高まっています。たとえば、BIMオブジェクトのNational Building Specification(NBS)標準が作成されたため、英国はBIMの採用を主導しています。NBSは、2014年にNBS BIMオブジェクト標準を公開しました。これは、BIM レベル2の高品質BIMオブジェクトがどうあるべきかを定義しています。
レベル2は、共同作業に重点を置き 、また 「そのプロジェクトに固有で、さまざまなシステムとプロジェクト参加者の間で調整される情報交換プロセス 」を要します」。 その中で、何を、いつ、どのように作成・共有・情報管理するかを定義する必要があります。 英国政府は、2016年、中枢部で調達された公共部門の業務すべてがレベル2であることを義務付けました。
世界中には施工予定の建築工事が数多くあり、多くのプロジェクトが今から2050年の間に予定されるでしょう。 成功を望む建築製品メーカーは 、たちまち取り残されてしまわないように、BIMオブジェクトを制作・共有する能力をただちに身につけ始める必要があります。しかし、どこから始めればよいのでしょうか。そして、成功するには一体何が必要でしょうか?