【日経XTech Special 掲載記事】2019年10月15日
Contentservが提唱する商品体験(PX)の創出は、企業のブランド管理やマーケティング手法をどう変えるのか
商品体験の定義
Contentservの渡辺氏は、商品体験は顧客と商品のインタラクションによって引き起こされる効果で、すべての感覚が満足する度合い(コンプリートネス)、製品に付随する意味合い(ストーリー)、誘発される気持ちや感情(エモーション)の3つによって、消費者と持続的・永続的な信頼関係を築くことを目的としているものだと説明する。
化粧品メーカーのSephoraは、スマートフォンでメイクアップを仮想的に試せる体験アプリを提供することで売上を伸ばしている。メイクアップ製品は対面販売による試用が一般的だが、アプリで気軽に使用感を確認できるため、「買わなくてはいけないというプレッシャー」を排除し、購買行動へのハードルを低くした例だ。
商品体験を創出するための商品情報
リッチな商品情報で優れた商品体験を提供することによって、商品の魅力を消費者に正確に伝えることができ、コンバージョン率の向上、カート放棄率の低減、返品率の削減、ROMI(Return On Marketing Investment)の最大化といった効果が生まれると説明する渡辺氏は、B2C企業だけでなく、B2B企業でもこれらの効果を享受できると説明する。
商品体験をうまく提供できない理由の1つは、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)施策において、マーケティングオートメーション(MA)やCRMなどのプロセスを管理するツールへの投資が優先され、商品情報を正しくかつ魅力的に顧客へ提供する仕組みづくりの重要性が認識されていない点である。リッチで文脈的な商品情報を顧客へ提供するためには、商品の仕様情報、販売促進の情報、エモーショナルな情報を一元的に管理する必要がある。
しかし、商品の寸法や価格などの仕様情報は基幹システムでしっかりと管理されているが、販促文やキャンペーンなどの販促情報、動画やストーリーなどのエモーショナルな情報は、各部署の担当がExcelやファイルサーバで管理し、属人的な勘や発想に頼っているのが現状で、情報が分断されていることが多い。このような商品情報のサイロを許していては一貫したメッセージを消費者に届けることはできず、効果測定や履歴管理を行うこともできない。
商品情報の管理体系を再定義
MAやCRMなどのプロセスを管理するツールへの投資に加えて、MD、マーケティング、営業が標準言語でコラボレーションできる商品体験管理プラットフォームが必要と話す渡辺氏は、商品情報のすべてをデータベースに統合し、必要であればサプライヤーや代理店などの外部のパートナーにもアクセスを可能にして、エコシステム全体でリッチな商品体験を創出する仕組みが重要だと話す。
そして商品情報の管理体系は、これまでのスペック(仕様)中心から、顧客中心に変えていく必要がある。商品コードやSKUを起点とした管理体系は、販売管理や物流の観点からは、引き続き重要だ。しかしこれからは、ペルソナを中心にさまざまなカスタマージャーニーや体験に分類して商材を関連付けていくような顧客中心型の商品管理体系が必要となってくる。
たとえば、Contentservの商品情報管理(PIM)ソリューションでは、ターゲットのペルソナやジャーニーをベースに商品情報を管理することで、文脈的な商品体験を演出することができる。たとえば、ビールの好みについても、ターゲットが愛飲する銘柄を管理できるだけでなく、「ドライ」や「辛口」のように意味合いは同じものであっても「より心地よいコピー」まで分類できると渡辺氏は説明する。
優れた商品体験を創出するためには、仕様属性だけでなく、販促属性やエモーショナル属性も含めた商品情報を一元管理できる基盤を設け、商品情報の管理体系を見直し、再定義した管理体系を基に商品体験を基盤上で運用する3つのステップが重要だと渡辺氏は最後にまとめた。
商品体験を創出する基盤では、ペルソナやジャーニーをベースに商品を紐づけて管理できる
Contentservについて
コンテントサーブは、あらゆるチャネルに対して最適化された商品コンテンツを提供し、リッチでエモーショナルな商品体験を創出するオムニチャネル商品情報プラットフォームです。商品情報管理(PIM)、マスターデータ管理(MDM)、デジタルアセット管理(DAM)統合型プラットフォームによって、企業の持続的な成長とブランド価値の向上を支援します。コンテントサーブは、小売業や製造業において、営業、マーケティング、経営企画、製品開発、情報システム等さまざまな部門で利用されています。 ソリューション・サービスに関する詳細は、www.contentserv.comをご覧ください。
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