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優れた顧客体験創出につながるコンテンツ活用

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優れた顧客体験創出につながるコンテンツ活用と、その前提となる商品情報管理を高度化するため、今チェックしたいポイント

優れた顧客体験創出につながるコンテンツ活用と、その前提となる商品情報管理を高度化するため、今チェックしたいポイント

顧客とのコミュニケーションにおいて軸となるコンテンツ。その制作・管理・運用の重要性が注目される中、国内のみならず国外を含め最適な顧客体験を構築する方法とは? 

商品情報管理(PIM)ソリューションによって優れた顧客体験につながるコンテンツ活用をサポートする株式会社Contentserv 代表取締役 渡辺信明、さまざまなコンテンツ管理ソリューションを展開するアドビ株式会社 デジタルエクスペリエンス事業本部 ソリューションコンサルティング部 シニアマネージャー   周一郎氏、サイト内検索ソリューションを提供する株式会社Yext(イエクスト)セールスエンジニアリング部 ディレクター 笹原 健氏、多言語対応の翻訳ソリューションを提案するトランスパーフェクト・ジャパン合同会社営業開発部 ディレクター小杉 弘樹氏が、コンテンツを通じた顧客体験をテーマに有益な情報の数々を披露した。 

本記事は2022419日開催した4社合同Webセミナー「コンテンツ管理における顧客体験の課題と最適化とは」の内容を元に編集しました。

これからの顧客体験に

コンテンツの一元管理が重要である理由 

 

最初に登場したのは、アドビ デジタルエクスペリエンス事業本部 ソリューションコンサルティング部 シニアマネージャーの原周一郎氏。「顧客体験を支えるコンテンツ管理のあるべき姿」のタイトルで、今求められている顧客体験におけるコンテンツ管理の重要性を語り、同社のCMS(コンテンツ管理システム)「Adobe Experience Manager」を紹介した。 

原氏はまず、顧客体験が従来以上に重要になってきているとして、顧客体験に注力・投資しているブランドが売上成長率、平均受注額、顧客保持率、社員満足度で高い成果を実現していることを解説。

アドビが日本を対象に行った調査では、消費者の71%が、適切な時間とチャネルで提供される関連コンテンツがブランドの信頼性を向上すると回答していることを示した。さらにはカスタマージャーニーの視点でも「さまざまなチャネルで、同じ商品画像やバナーなど一貫性のあるコンテンツを、適切なタイミングで表示することが重要になっています。反対に、関連性のないコンテンツを出すと顧客は離脱してしまいます」と話した。 

それでは、こうした顧客体験を支えるコンテンツ管理はどう実現すべきか。チャネルごとに別々のCMSを使っている状態ではサイロ化が発生し、一貫性のあるコンテンツ管理は難しくなると指摘。今後チャネルやデバイスがさらに増えていくと、いずれ回らなくなるとした。これに対しあるべき姿として「単一のオムニチャネルCMSなら、一元管理されたコンテンツで、複数チャネルにおける一貫性とコンテンツの再利用、容易な変更を実現でき、コストも抑えられます」と語った。 

 オムニチャネルCMSに求められる機能としては、コンテンツ制作に用いる画像や動画を管理するだけでなく、パーソナライズしたコンテンツ配信にも活用できるものが望ましいとして、「Adobe Experience Manager」の紹介につなげた。原氏はコンテンツ制作についてアメリカのUXデザイナー/コンサルタントのブラッド・フロスト氏が提唱する「Atomic Design」の考え方を披露。それによると、Webデザインの技術が進化するにつれ、単純なWebページの集合体を作るのではなく、ページを構成要素に分解し、そこから発展させることが重要とのことだ。 

Atomic Design」では、テキストや画像など最も小さな構成要素、それらのセット、さらにそのセットが結合した商品画像・商品説明・購入ボタンといったコンテンツグループに分け、商品情報として意味のあるこのコンテンツグループをグループとして管理することが重要だとする。  

「グループで管理することで、カスタマージャーニーにおいてさまざまなチャネルやデバイスに一貫性のあるコンテンツを、再利用しながら配信できるようになります」と原氏。「Adobe Experience Manager」では、この考え方を実現するような管理を可能にするという。 

続けて「Adobe Experience Manager」のコンテンツ管理機能や配信機能について説明し、マルチデバイス対応でコンテンツ管理効率化・配信タイミング早期化・時間短縮・コスト削減を実現した花王などの事例も紹介した。 

検索体験をリッチにすることが

顧客体験の向上につながる 

 

次に登場したのは、アメリカの検索ソリューションのリーディングカンパニーであるYextで、セールスエンジニアリング部 ディレクターを務める笹原健氏。タイトルは「顧客体験を向上させるAI検索への対応」だ。この日は「Adobe Experience Manager」とも親和性が高いAI検索ソリューションを紹介した。 

まず笹原氏は、検索という行為が欠かせなくなった現在、カスタマージャーニーのほぼすべても検索から始まり、しかもその後のあらゆる段階でも検索が利用されるため、今や検索なしでカスタマージャーニーは成り立たないと強調した。しかもユーザーはモバイルでいつでもどこでも検索して情報を求める検索ファーストの時代となったため、「企業は顧客の検索にきちんと対応していかなければなりません」と話した。 

ブランドサイト外部の検索エンジンとしては多くの人がGoogleを利用しているとし、「Googleで店舗を検索すると、地図をビジュアル的にわかりやすく示し、かつキーワードに対応するレビューも含めて表示してくれます。つまりGoogleの検索は、単なるページリンクだけでなく、ユーザーが求める答えを返すように進化していますし、ユーザーもそうした体験に慣れ、期待するようになっています」と語った。 

Google2012年にナレッジグラフというデータベースを開発・発表し、検索体験を高めている。その一方で、企業サイト・ブランドサイト内の検索は1970年代に作られた技術をもとに、以前のようなページリンクの羅列にとどまるものが依然多い。しかし検索ファーストの時代において、Googleの検索で自社サイトへ来訪したにもかかわらず、サイト内で求める情報にたどり着けない場合は、サイトから離脱してしまうと笹原氏は指摘。その事態を防ぐため、自社サイトで優れた検索体験を提供することが重要になっていると話した。 

その点でサイト内検索ソリューション「Yext Answers」は、商品情報をはじめ多彩なデータを統合してナレッジグラフを構築し、AIを活用してユーザーが求める商品情報をわかりやすく示すという。また多様なAPIを用意しており、アドビのCMSソリューションや、ContentservPIMなどと連携することも可能になる。笹原氏は最後に、自社サイトに「Yext Answers」を導入して優れた検索体験を実現している企業の事例も紹介し、講演を締めた。 

グローバル展開のキーとなる

コンテンツ多言語化のヒント 

 

3番目は、トランスパーフェクト・ジャパン合同会社 営業開発部 ディレクターの小杉弘樹氏「顧客体験最適化のためのグローバルコンテンツ戦略」と題して講演した。 

同社は「GlobalLink」という翻訳管理システムを提供している企業。「デジタルコンテンツの海外マーケット展開に多くの企業が取り組んでいますが、コンテンツの翻訳・多言語化がマストであり、素早い公開やタイムリーな更新、コスト、デジタルに関するマーケットごとの特性把握、コンテンツ量増大に伴う翻訳需要の増加、そして翻訳品質といったさまざまな課題に直面しています」と小杉氏は指摘する。 

こうした課題に最新ツールで取り組んでいる事例として、カタール観光局が紹介された。2022年の大規模スポーツイベント需要も活かしてここ数年、観光促進に国を挙げて取り組んでいるカタールの観光局では、観光客数とその消費額の大幅増、観光業自体の伸長といったテーマを掲げ、デジタルの力を使い実現しようとしている。そこで選択したシステムが「Adobe Experience Manager」であり、海外から観光客を呼び込むキーとなるコンテンツ多言語に向けて採用した「GlobalLink」だ。 

GlobalLink」は「Adobe Experience Manager」との連携で、翻訳管理をシームレスに自動化できるという。現在カタールでは9言語に翻訳されたコンテンツの準備を進めており、今夏までに多言語展開したサイトを公開する予定とのことだ。 

「翻訳作業には、翻訳を行う会社や人的リソース、Webサイトのコンテンツを管理する各地のエージェンシーなど、多様なステークホルダーが関わってきますが、この製品を使えば一元的に管理できます。海外だけでなく日本国内でも、例えば花王がアドビのCMSと連携し、コンテンツのローカリゼーションに導入して、多言語でのDXを推進しています」と小杉氏は語る。 

GlobalLink」は翻訳に関連するテクノロジー製品の総称で、さまざまな用途に適用可能なモジュールで構成されるスイート製品だ。その中で、翻訳関連システムとCMSPIMMAなど外部システムを連携させ、コンテンツを効率的に翻訳するのが「GlobalLink Connect」。ContentservPIMシステムと連携するコネクターも用意され、PIMに特化したソリューションと併用することで活用の幅を大きく広げられると小杉氏は強調した。 

 

Localization-and-Translation
企業のマーケティングデータの課題~PIMと多言語コンテンツ管理のメリット

Contentservと翻訳管理システムGlobalLink連携デモ、事例を交えてトランスパーフェクト・ジャパンとContentservがご紹介します。

競争に勝つためにPIMを活用し、

コンテンツで伝える力を強化する

 

ウェビナーの最後に登場したのが、Contentserv 代表取締役の渡辺信明。「デジタルビジネスとプロダクトコンテンツの重要な関係」というタイトルで、ここまで3社が共通して言及してきた顧客体験の文脈から、顧客体験とプロダクトコンテンツがどのように関係してくるのか講演を行った。 

渡辺は2006年にContentservPIMソリューションと出会ったという。きっかけは、製造業が「作れば売れる」時代から「伝わらなければ売れない」時代へ移行する中で、日本企業の優れた商品を顧客に伝えていくため、最適なITソリューションを探していたこと。「PIMの領域で最も優れ、自分の中で納得のいくソリューションとしてContentservを見つけました」と渡辺氏。2017年に日本で株式会社Contentservを設立し、現在はアジア太平洋の顧客にライセンス販売・導入支援・運用支援の事業を展開している。ContentservPIMマーケットリーダーとして認知されガートナー社が実施したアンケートでも最も高い顧客満足度を獲得した。  

渡辺は続いて、PIMの概念と機能を解説した。商品情報管理の一連のプロセスにおいて、整流化・標準化・最適化の機能を提供するのがPIMソリューションだという。 

「まず、社内だけでなくサプライヤーや代理店も含め、データコンテンツを収集・変換して情報の流れを整流化するのが1つ目の機能。2つ目は、ブランドアセットの管理において、縦割り組織の中で散在した商品情報や仕様情報、マーケティング販促情報などを標準化し、誰もが使いやすい形にしてリッチなコンテンツを生成する機能。そして、顧客が求めるコンテンツとして最適化して顧客接点に流し込み、優れたコンテンツ体験を創出していくのが3つ目の機能です」 

PIMが今求められている理由として、渡辺氏は①取り扱う商品・サービス数の増加、②顧客接点の変化(チャネルの増加)、③顧客ニーズの多様化を挙げた。とりわけ3つ目のニーズ多様化が目下最大の課題であり挑戦であるとし、「BtoBでもBtoCも、顧客は、パーソナライズされた情報を、コンテンツとして最適化して届けてほしいと望んでいます。このニーズに応えるため、PIMが必要とされていると考えています」と話す。 

では、ここで言う「商品情報」とは何か。Contentservでは、仕様・スペック等の属性だけでなく、マーケティングや営業が利用する属性、動画・画像などエモーショナルな感情に訴えかけるデジタルアセットも含めて、広義の意味で商品情報に位置づけている。ほとんどの企業で、管理している商品情報は仕様・スペック属性に限られていると渡辺氏は指摘。多くの商品情報はマニュアルオペレーションで統制が利いておらず、コンテンツ自体が暗黙知として人の頭の中にあり、再利用性がない、つまり、顧客接点に近いマーケティングや販促担当者が利用できるように管理が形式化されていないという。 

PIMを導入することで、ガバナンスを利かせ、さまざまなチャネルに対してトレーサビリティを担保してコンテンツを届けられるようになります。そしてPIMは、単体で利用するより、ここまでの3社が紹介したような外部システムと連携し、営業やマーケティング部門でも活用していくことで、さらに有用なソリューションになります」と解説する。 

続いて渡辺は、ContentservPIMが持つダッシュボード、ポータル機能を利用したコンテンツ授受、データ変換、品質チェックといった主要機能について、画面を交えて説明していった。また、PIMDAM(デジタルアセット管理)がシームレスに統合されていることで、デジタルアセットを商品に紐付け、より柔軟に管理できるという利点も紹介した。 

最後に渡辺は「勝負の分かれ目は、ブランドや商品の価値を正しく伝えられるか、これに尽きます。製品やサプライチェーンの強化はもちろんですが、それ以上にコンテンツの強化・伝える力を強化していくことが、今日本企業に最も求められることでしょう」と語った。 

国内のみならず国外含め最適な顧客体験を構築するためには、コンテンツの一元管理、検索体験の向上、コンテンツの多言語、コンテンツ強化をサポートするエコシステムを活用したコンテンツ制作・管理が重要な要素となっています。

製品ガイド: 商品情報の管理・共有・展開で直面する​5つの課題を
Contentservが解決

本ガイドでは、Contentserv PIMが、具体的にマーケティングや営業、eコマース、IT、プロモーション担当が抱えるこれらの課題を解決できるのかについて、ご紹介します。