デジタル化の取り組みのスピードアップ、データ管理上の問題の解決、自社ビジネスの成長に役立てるために、商品情報管理(PIM)ソリューションを導入する企業が増えています。
2027年までのPIM市場の年平均成長率(CAGR)は約25.1%と予想されています1 。これは、このソリューションが、実質的なビジネス成果を生む優れた能力をもっている証しです。
しかし、PIMソリューションを調達するには、かなりの投資が必要です。つまり、どんな組織にとっても、PIMのROI(投資利益率)を算出することが、PIMを取り入れる短期的・長期的なメリットを理解するのに欠かせないステップだというわけです。
投資のROIを計算するには、至ってシンプルな次の一次方程式を使います。
投資費用を調達するのは比較的簡単ですが、投資利益を数値化するには、場合によっては多大な努力が必要です。
効率性向上と純利益に与える影響
PIMソリューションの価値は、効率性向上という観点から測定することができます。この観点とは、つまり、PIMソリューションによって、組織の現在のデータ管理やデータ処理がどのくらい改善されたかに加え、消費者がほかのPIM関連のメリット(改善された商品情報など)に積極的に反応したかどうかということです。これら2つの要因を簡単に見ていきましょう。
効率性向上
PIMソリューションから効率性向上を得るために、組織が確認する必要がある重要な変数は、次の5つです。
- 管理対象フィールド
- ローカライズする必要があるフィールドの数
- 管理対象フィールドの総数
- 年間でメンテナンスするSKU値の数
- 運営費用(メンテナンス/更新を行う従業員の時間給を含む)
純利益に与える影響
消費者が組織内での変更によい反応を見せたかどうかを調べるには、純利益の増加を確認するのが良い方法です。たとえば、小売業者がPIMソリューションから得られるメリットの良い指標としては、以下が挙げられます。
- eコマースコンバージョンの向上
- その他チャネル収益の増加
- 返品およびカート放棄の減少
その他の変数も、PIMに投資するメリットを判断するカギです。 ただし、こうしたメリットの中には、消費者の認知度、リピート客や推奨、さらにはロイヤルティにまでつながるプラスの体験のように、目に見えないものや定量化できないものもあります。
最後にもう一つ挙げると、PIMソリューションの価値は、PIM導入に関する類似事例や成功事例といった実例で推定することも可能です。したがって、重要なのは、どうすればPIMが組織に良い影響を及ぼすことができるかに関して応用できる事例を見つけて、それを基準として用いることです。
着手するには
上記の測定基準を確認することが、PIMシステムのROIを把握する第一歩です。ただし、実際に計算を行うには、より具体的なステップが必要です。PIMのROI見積もりに着手する方法についての詳細は、ホワイトペーパー『商品情報管理(PIM)のROI:プロジェクトの価値を試算する方法』をご覧ください。