オンライン商取引の拡大やパンデミックの影響で、国際的な事業展開はこれまでになく気軽に取り組めるものとなっています。これまで勇気がなかったり、新しい市場や収益を活用することを考えていなかった企業でも、今では国際的な成長戦略を効率的に策定し、展開することができるようになりました。
企業は、市場拡大のために複雑なプロセスを経る必要はなく、簡単に国境を越えて販売し、世界中の買い物客にリーチできます。また、豊富な情報とテクノロジーを手に入れた消費者は、いつでも、どこでも、簡単に商品を購入することができるのです。
国境を越えた商取引は急成長しています。それを示すデータをいくつかご紹介しましょう。
- 米国において、越境B2C市場は、2026年までに48億ドルに達すると予想1
- 欧州では、オンライン販売全体に占めるクロスボーダーの割合が23.55%2
- 地域間のクロスボーダーフローの53%3が中国からである3
- 2023年には越境ECが電子商取引の17%を占め、世界全体で7,360億米ドルの売上を予想3
- アジア太平洋地域からの越境輸出は28%増加4
グローバルに販売することで、企業には次のようなメリットがあります。
- マーケットリーチの拡大
- 競争力の強化
- より多くの収入源の開拓
しかし、世界各地で販売することに課題がないわけではありません。支払いだけをとってみても、各地域の現地通貨を考えると頭が痛くなりそうです。そこに配送や返品などの条件も加わるとなると、これらの課題は対処できそうにないと思えるほどです。
企業が拡張性を高めることによって解決できることをご存じですか?
スケールアップするための準備を PIMで
近年、テクノロジーの進歩により、企業がグローバルに市場を拡大し、より多くの顧客にアクセスすることが容易になりました。それに伴い、スケーラビリティの重要性が高まっています。企業には、確固たるスケーリング(拡張)戦略と、必須コンポーネントをビジネスに統合するための適切なソリューションが必要です。
商品情報管理(PIM)ソリューションは、eコマースビジネスの基盤構築をサポートします。PIMソリューションは、複数の販売チャネルでのマーケティングや販売を成功させるために必要な商品の情報を、簡単かつ迅速に用意し、検証、管理、ローカライズ、公開することができます。eコマースビジネスに対応しているため、拡張に伴う複雑さが低減されます。
スケーラビリティに必要な4つのPIMコンポーネント
1. 翻訳とローカライゼーション
ある調査によると、英語圏以外の国では75%5の人が母国語での買い物を好むという結果が出ています。翻訳とローカリゼーションは、新規顧客を惹きつけ、取り込むための鍵となります。企業には、対象地域それぞれの顧客に関連するように商品コンテンツを最適化することが求められています。
しかし、商品コンテンツの翻訳は、広範囲にわたるローカリゼーションプロセスのほんの一部に過ぎません。企業は、世界の顧客を惹きつけるために、多言語でエンドツーエンドの顧客体験を提供する努力をしなければなりません。体験全体を翻訳するには、時間がかかりますし、多くの協力者が必要となります。多大な努力が必要です。
PIMで翻訳の課題を克服する
企業によって、社内に翻訳を行うチームがある場合もあれば、現地またはリモートの代理店に翻訳を依頼している場合もあるでしょう。しかし、誰が翻訳するにしろ、大量のコンテンツを翻訳する場合、適切なツールがなくては、情報の重複や欠落、不正確さなどの問題が発生します。
PIMソリューションはローカライズ機能を備えているため、こうした課題を軽減します。商品データを複数の言語やチャネルに合わせてローカライズし、関連する属性に一度だけ焦点をあてることで、不要な翻訳の繰り返しや関連コストを削減することができます。また、最初に翻訳や修正が必要なコンテンツを自動的に特定するため、翻訳管理が容易になります。
2. データ品質
一貫性のある正確で適切な情報は、eコマースビジネスの要となります。消費者は不正確な情報に寛容ではなく、商品の内容に一貫性がないと、簡単に購入をやめたり、ブランドから離れてしまいます。
PIMでデータ品質を確保する
商品コンテンツをクリーンに保つためには、データ品質を厳密に取り扱う必要があります。商品データの正確性、完全性、適合性、独自性を測定できる堅牢なPIMソリューションは、一貫性のない劣悪な商品情報を公開・配布するリスクを最小限に抑えるのに役立ちます。また、どのデータがどのチャネルや地域で共有されてもデータの品質を監視しておくことで、新しい市場への拡大が容易になります。
3. デジタルアセット管理(DAM)
消費者はどこで買い物をしていても、商品が自分に合っているかどうかを確認するために、例外なく商品画像を頼りにしています。デジタルアセットは、消費者にストーリーを伝え、購入を決断させるために、生き生きとした魅力的なものでなければなりません。また、すべての販売チャネルやプラットフォームで一貫していることも大切です。
デジタルアセットをバラバラのシステムで管理していては、期待する成果を得ることはできません。デジタルアセット管理が機能していなければ、アセットを予定通りに作成することができず、顧客体験や商品の発売に影響を及ぼします。
DAMでデジタルアセットを整理する
DAMソリューションは、全社的なデジタルアセットの管理という煩雑なプロセスに秩序をもたらします。DAMソリューションを活用することで、画像、ビデオ、マニュアル、その他のドキュメントなど、大量のデジタルアセットの保存、整理、統合、充実、共有を簡単に行うことができます。
- さまざまな形式や段階のデジタルアセットの管理プロセスを簡素化
- 手動検索を減らし、重複を排除
- デジタルアセットと正しい商品情報を自動的に関連付け
- チャネル別のフォーマットでデジタルアセットを配信
- ライセンス規制や規格への厳格な準拠を促進
4. 複数チャネルでの公開とシンジケーション
成長している企業は、新市場に進出する前であっても、社内のチームやパートナーネットワーク、その他のチャネル、さらにはマーケットプレースに商品コンテンツを配信し、共有することが求められています。
そのため、フォーマットや言語、通貨に関係なく、すべてのデジタルチャネル、ビジネスシステム、顧客向けアプリケーションで商品情報をシームレスかつ一貫して共有することが非常に重要です。
統合して、商品コンテンツを共有・配信する
PIMソリューションは、リッチで完全かつ正確な商品情報を、AmazonやEbayなどのeコマースサイトやマーケットプレースなど、複数の販売チャネルにシンジケートして公開することができます。すぐに使えるコネクターが用意されており、 より強力に連携します。
- Magento、BigCommerce、Salesforce Commerce Cloudなどのeコマースサイト
- Google MFCやAmazon Seller Centralなどのマーケットプレース
- productsupやPlentymarketsなどのシンジケーションプラットフォーム
商品コンテンツを共有・シンジケートするために、わざわざ別に配信ツールを用意する必要はありません。コネクターで統合することで、社内のビジネスユニット、サプライヤー、取引先、データプール、顧客は、正確で完全な最新の商品情報にアクセスすることができます。