今日の超競争的なグローバル市場における新たな強力な差別化要因、それが購買体験です。消費者の74%は、体験のみをベースに購入する可能性が高く、87%の消費者は別々の買い物チャネルであっても、パーソナライズされた一貫性のある体験を期待しています。
したがって、見込み客を競合他社に奪われないようにするには、マーケティング活動や営業活動をこうした期待に応えるよう調整する必要があります。
ガートナーによると、「バイヤージャーニーにおいて、優れた購買体験を提供する企業は、平均的な体験を提供している企業に比べ2倍の速さで成長しています。」ポジティブな体験を提供することは、顧客がより長くその会社を利用し、将来的にまた戻ってきたり、自身のネットワークに推薦したりといったことにつながります。そのため、見込み客のバイヤージャーニーの各段階、買い手が必要性に気づく前から購入完了に至るまで細心の注意を払うことはとても大切なのです。
問題は、顧客の心をつかむ購買体験をどのようにデザインするか。
そのためには、まず購買体験とは何か、顧客がどのように行動するかを理解する必要があります。
購買体験とは何か?
購買体験は、市場のダイナミクスを大きく変えつつあるゲームチェンジャーです。ニーズの認識から選択肢の検討、そして最終的な購入に至るまでの購買プロセス全体に対するバイヤー(買い手)の感じ方を指しており、買い手と売り手との間の様々な交流によって形作られます。
こうした交流はタッチポイントとも呼ばれ、ソーシャルメディアコンテンツ、Eメール、デジタル広告、カスタマーレビュー、さらには口コミなど、さまざまな形で行われます。これらのタッチポイントをマッピングすることは、優れた購買体験を創りだす上で非常に重要です。
カスタマー・エクスペリエンス(CX)との違いは何でしょうか?購買体験は多くの場合、既存顧客よりもむしろ見込み客に焦点を当てています。CXは購買を行う人々を指すのに対し、購買体験は購買プロセス全体を指しています。プロセスにおける摩擦、一貫性のなさ、入手できない情報、不十分なパーソナライゼーションは、カゴ落ちにつながりやすく、顧客は二度と戻ってこなくなります。
顧客の動機と考え方を理解する
素晴らしい購買体験を提供するには、まず顧客がどのように行動するかを理解しなくてはなりません。バイヤーはどのようにしてA地点からB地点、そしてC地点へと移っていくのでしょうか?
ブランドが顧客と関わる上で、カスタマージャーニーの基本的な理解は必須です。そのためにカスタマージャーニー・マップを作成し、顧客がどのようにあなたのブランドを認知し、それ以降どのように交流していくかを詳しく書き出すことをお勧めします。
Survey Monkeyでも言及されているように、「カスタマージャーニーとは、顧客があなたの会社やブランドと接するときに経験することの総体です。マップには、やり取りや体験の一部だけではなく、顧客として体験することすべてを記録しましょう。」
端的に言えば、これはカスタマージャーニーを通して消費者を買い手に育てること(ナーチャリング)です。顧客があなたが提供する商品やサービスを購入するとき、彼らはそれに伴う快感、喜びを期待しています。欲しいものを見つけ、購入プロセスを経て、買ったばかりのものを楽しむことで得られるこの満足感こそ、売り手側が、販売後も常に維持しようとしているものなのです。
顧客が辿るフェーズとタイムラインを分析するために、以下のことを検討してみましょう。
- 行動 — 各フェーズでの顧客の行動を自問してみます。例えば、来店時やレビューで貴社のことを知ったとき、想定される彼らの反応はどのようなものでしょうか?
- 動機 — 顧客を次のフェーズに進ませるものは何でしょうか?各フェーズでどんな感情を感じてもらいたいと思いますか?
- 質問 — W顧客が抱えているであろう悩み(ペインポイント)は何でしょう。貴社があなたのブランドで難しく思うことがあるとすればどこでしょうか。取り扱っている商品が本質的に複雑な場合、どうすれば顧客体験を改善できるでしょうか?
- 障害 — 顧客が販売サイクルの途中であきらめて、やめてしまう原因になりそうなものはありませんか?
顧客を本当に突き動かしているものが何かを理解することで、より説得力のある本物の購買体験を開発することができます。