BIM(ビルディング インフォメーション モデリング)の普及する一方で、データ精度の問題に起因してBIMコンテンツの作成・維持管理に苦労する住宅設備・建築資材メーカーが増えています。PIMは、効率的なBIMを実現するうえでの必須基盤です。PIMを導入することで、BIMコンテンツの運用効率が劇的に改善します。 さらに、サイズや材料等の仕様情報の提供に加えて、意匠に係るエモーショナル属性を顧客と共有することで、デジタルサプライチェーンは新しい次元へと進化します。
※本記事はアイティメディアが主催する、モノづくり、国内最大級のバーチャル展示会「ITmedia Virtual EXPO 2021 春」における当社 株式会社Contentserv 代表取締役 渡辺信明のインタビュー内容をもとに編集しました。
-IT Media:今回「住宅設備・建築資材メーカーにおけるDXとPIM/BIM」というテーマで話を伺いますが、PIMとリーディングプロバイダーである Contentserv についてお聞かせください。
- Contentserv 渡辺: Contentserv(コンテントサーブ)というソフトウェアはいろいろな側面を持っています。PIMというと商品の情報を360度管理する、すなわち、縦・横・長さ・重さ・価格 といったスペックの情報から、関連する画像や動画の情報、建設業界的には、CAD CAMの図面の情報や3Dのデータなども含めて一元的に管理するためのソリューションがContentservです。
ContentservをPIM(Product Information Management)と呼ぶお客様もいれば、例えばより画像などデジタルアセットの管理機能に着目し、そういった機能を優先されるお客さまにおいてはDAM(デジタルアセットマネジメント)と呼ばれたりします。 そして、商品に関連するマーケティング資材を一元的に商品に紐づけて、包括的に管理したいお客様にとっては、MRM(マーケティングリソースマネジメント)と呼ばれます。
お客様の目的や優先順位によって、 ContentservというソリューションはPIM、DAM、MRMと呼び方は変化していく「七変化ソフトウェア」です。そういった意味では、当社のお客様の部門・役割という見方でも様々で、マーケティング部門のお客様が代表的ですが、会社様によっては製品開発部門、広報部門、営業部門であったりもします。
最近ではサブスクリプション化の流れも関係し、保守サポートといった販売後のサービスに Contentservの仕組みを活用していきたい、具体的には、例えばパーツの管理やスペアパスの互換性も含めてお客様に最適な保守サービスを提供していきたい、という目的のもとで Contentservを利用していただくケースも増えています。
- IT Media:コロナパンデミックによって、PIMの領域で具体的にどのような変化があったと考えていますか。
- Contentserv 渡辺:もののサプライチェーンは動かせているが、コンテンツのサプライチェーンが止まってしまう、なぜならContentservのようなデジタルサプライチェーンの仕組みがないので、今までは「人」が国内外の販社や代理店に商品に関わる情報(販売するためのコンテンツ)を渡していたが、コロナ渦になり在宅勤務や、ヨーロッパではロックダウンの影響で、極端に言えば、ものの在庫はあるが売るためのコンテンツがないため売れないということが起きたというのがこの一年間のできごとです。
この一年間は、Contentservが、よりなくてはならない存在、Contentserv PIMが「Nice to have」から「Must have」という見方に変わった瞬間でした。すなわち、ディザスタリカバリ、データバックアップ、ハードウェアの多様性に関する問題として捉えられていたこれまでの事業継続計画(BCP)にPIMの領域が加わってきました。これは、こういったパンデミックの中でも、コンテンツをお客様に滞りなく届け続けるにはどうしたら良いかという課題にPIMがソリューションとしてフィットしてきたといえます。