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ターゲット層を効果的に惹きつけるプログラマティック・プリンティング

作成者: Contentserv|2023/05/09 23:20:02

マーケティングオートメーションの時代において、個別印刷の感動とデジタルマーケティングの即時性を融合させたコンセプトであるプログラマティック・プリンティングは急速に浸透しており、企業に有望な商業的成果をもたらすものとして注目されています。ビジネスを展開しているのであれば、貴社においても、かなりの確率でデジタルマーケティングのチャネルを使ってターゲット層に宣伝しているでしょう。電子メール、ソーシャル広告、検索広告の他に成功するチャネルはないようにも思えますが、その認識は間違いかもしれません。

ターゲット層を効果的に惹きつける

プログラマティック・プリンティング

デジタル・プログラマティック広告は、ブランドにとって素晴らしい機会を生み出し、高度なパーソナライゼーションやリターゲティング戦略への道を切り開きました。しかし、デジタルチャネルからのノイズが大きくなるにつれ、今ではその力を失いつつあります。実際、デロイトが発表した「2022 Connectivity and Mobile Trends Survey」によると、消費者のほぼ3分の1が、管理しなければならないデバイスやサブスクリプションの数に閉口していると報告されています。

では、どうすればいいのでしょうか。デジタル・プログラマティックを完全に無視することはできません。しかし、消費者が画面から離れ、自分の時間を過ごしているときに触れる印刷物と組み合わせることは可能です。そこで、プログラマティック・プリンティングとは一体何なのか、そしてなぜそれがマーケティング戦略にとって重要なのか、さっそく見ていきましょう。

プログラマティック・プリンティングとは

プログラマティック・プリンティング(またはプログラマティック・プリント)とは、従来のダイレクトメールや印刷広告に、プログラムによる広告販売・配信手法を用いることです。プログラマティック・プリンティングの基礎は、最新世代のデジタル印刷機によって築かれました。これらは、極めて高速でパーソナライズされた印刷を可能にするだけでなく、コスト効率も良く、高品質です。統合されたプログラマティック・プリンティング・ソリューションがあれば、デジタルデータを利用して短期間でマーケティングコミュニケーションの印刷物を作成することができます。この印刷物には、カタログ、パンフレット、商品カタログ雑誌、顧客向け雑誌、顧客向けニュースレター、ブランドブックなど、あらゆる販促物が含まれます。

これにより、顧客は、データに基づく提案と高品質な印刷物のエモーショナル・アピール(感情への訴えかけ)という、両者の長所を享受することができます。プログラマティック・プリンティングを導入することで、マーケターとプリント・サービス・プロバイダー(PSP)は、印刷とデジタル化の双方のあらゆる利点を組み合わせたオムニチャネル・キャンペーンを共同で実施できるようになるのです(例えば、パーソナライズしたコンテンツを消費者に瞬時に提供する、など)。

プログラマティック・プリンティングの具体的な仕組み 

従来のキャンペーン企画とは異なり、プログラマティック・プリンティングでは、顧客は企業が企画した印刷物を一斉に受け取ることはありません。その代わりに、顧客自身がトリガーを引いて、郵便物の発送プロセスが開始されます。例えば、カゴ落ちをプログラマティック・プリンティングのワークフローを開始するトリガーに設定することができます。カゴ落ちがおきると、マーケティング・オートメーション ソフトウェアは、データをパーソナライゼーションソフトウェアに転送し、顧客向けにカスタマイズされたレイアウトを作成します。

次に、デジタル印刷パートナーが、暗号化された住所データを含むレイアウトを受け取り、それを使って印刷物を作成・発送します。顧客は、カゴ落ちした後、しばらくして個別の印刷広告を受け取る、といった具合です。しかし、これを実現するためには、企業はデータをしっかりと把握しておく必要があります。Priint Groupの最高マーケティング責任者であるSebastian Hardung氏は、「プログラマティック・プリンティングにおいても、他のマーケティングキャンペーンと同様、データが最も大切なものである」と述べています。

プログラマティック・プリンティングは、実際にはどのような効果があるのでしょうか?

プログラマティック・プリンティングのメリット

デジタル時代になり、印刷物によるマーケティングの存在意義が薄れたと思われがちです。確かに、印刷媒体は需要的に全盛期を過ぎていますが、印刷広告の魅力はまだまだ健在です。印刷物は、完全で、気が散らない、没入感のある顧客体験を提供します。それをプログラマティックと組み合わせて、関連性が高くパーソナライズされたものにすれば、良いキャンペーンをさらに素晴らしいキャンペーンにすることができます。ここでは、マーケティング活動を強化する上でプログラマティック・プリンティングが役立つ5つのポイントをご紹介します。

1. 自動化

商業印刷業界は積極的に自動化を取り入れており、印刷量の31.4%が自動化されたワークフローで生産されています。これは、洗練された自動生産ワークフローなしには実現できないプログラマティック・プリンティングの傾向でもあります。「プログラマティック」とは、デジタルプリントのために自動編集されるデータのことを指し、パーソナライズされた電子メールの送信やバナー広告のトリガーに使用されるものと同じデータを利用します。しかし、その代わりに、最終的な成果物は、感情に訴えかける高品質の印刷物であり、消費者があなたのブランドと接触してから通常24時間以内に届きます。

例えば、ある人が冬物のジャケットを検索したけれども買わなかった場合に、翌日、冬物ジャケットの特別オファーや特別な割引コードが記載されたチラシを届けるのです。自動化技術のおかげで、古典的な広告メールが高度に個別化された郵便物になります。

2. 信頼性 

購入を決めるかどうかは、たいてい、信頼の問題です。消費者の購買選択に影響を与えるという点で、印刷広告は今でも82%の消費者から最も信頼できるメディアとみなされています。印刷広告には、媒体の衰退を覆すことはできないものの、紛れもない魅力があり、今日のマーケティング動向において依然としてその地位を確立していることは明らかです。インターネットによってリサーチは容易になりましたが、あまりに多くの情報が溢れており、事実と虚構を見分けるのが難しい側面もあります。

消費者は、特にネット上の偽情報や不正な広告の手口を意識するようになっています。それに対して、紙媒体の制作にはより厳密さが要求されると考えているため、現在でも顧客の信頼度は高くなっています。

消費者が購入の意思決定をする際に最も信頼する広告チャネルは、印刷物である

3. 費用対効果と利便性

印刷物キャンペーンの企画は、印刷サービスプロバイダーを雇い、関連する顧客データを提供し、プロセス全体を管理する必要があり、複雑な作業になりがちです。しかし、プログラマティック・プリンティング・オートメーションを利用すれば、ワークフローの中で何度も修正を行う必要がなくなり、時間とコストを節約しながら、キャンペーン企画を効率化することができます。一般的に、基本的なレイアウトや出荷日は一度だけ定義すればよく、テキストや画像はあらかじめ定義されたペルソナ、ロジック、指定されたトリガーに基づいて構成されます。作成は自動的に行われるため、長い承認プロセスやそれに伴うコストは不要です。

4. 未開拓のターゲット層

広告主にとって、プログラマティック・プリンティングは、これまで開拓されていなかった非デジタル、あるいはデジタルに疲れたオーディエンスにリーチする機会になります。消費者は、多くがディスプレイ広告を警戒しているか、まったく見ていません。それに比べて、プリントマーケティングは目立つ可能性があります。例えば、ミレニアル世代は毎週何百通もの電子メールを受け取っていますが、郵便物はそれほど頻繁に届きません。その結果、この年齢層は郵便物を無視する必要性を感じないのです。ある調査では、ミレニアル世代の62%が、過去1カ月間に郵便で受け取った情報をもとに店舗を訪れたことがあると回答しており、ベビーブーム世代やX世代よりもその頻度が高くなっています。

ミレニアル世代、X世代、ベビーブーム世代は、オンラインやソーシャルメディア広告と比較して、従来の広告(印刷物/TV)をより信頼していることが窺える。

5. 収益の最大化

プログラマティック・プリンティングを利用することで、コンバージョン率を高めつつコストを最小限に抑えることができます。顧客の行動や特徴に基づき、関連性の高い顧客にカスタマイズされた印刷物を送ることが可能になり、無関係な郵送物にかかる無駄なコストを削減することができるのです。同時に、郵送物の関連性が高いということは、適切なタイミングで適切な商品や魅力を顧客に伝えることになり、コンバージョン率の向上にもつながります。実際、電子広告が行動につながる消費者は45%であるのに対し、ダイレクトな印刷広告によって行動する消費者は80%近くにのぼります。さらに、データインサイトを収集できるため、貴重なクロスセルやアップセルの機会を見つけることができます。

Elements of programmatic printing 

プログラマティック・プリンティングで

インパクトを与えよう 

ここ数年のデジタル印刷技術と自動化された生産ワークフローの進歩により、プログラマティック・プリンティングがもたらす機会は新しい時代を迎え、皆がうんざりしている画面上のデジタル広告から良い面を取り入れることができるようになりました。平均的な消費者の注意力はわずか8秒と言われており、ブランドにとってターゲット層に直接アプローチすることは極めて重要です。

Eメールマーケティングは、顧客と関わりを持つために最も広く使われる費用対効果の高いツールですが、印刷広告の重要性も見逃してはいけません。印刷物とデジタル広告を組み合わせたキャンペーンは、よりインパクトのあるマルチタッチメッセージを提供でき、400%の効果が期待できます。

マルチチャネル・パブリッシングを成功させることは、見込み客が企業のビジネス、商品、サービスについて知ることができるだけでなく、消費者が購買決定をする際の、ブランドの権威と信頼を築くことにもつながるのです。マルチチャネル・パブリッシングを成功させるためのデータ基盤となる商品情報管理(PIM)の活用について、ぜひご確認ください。