2023年3月2日
商品情報管理(PIM)のリーディングプロバイダーである株式会社Contentserv(本社:東京都港区、代表取締役 渡辺信明)は、商品点数10,000点以上を取り扱う製造業・小売企業を対象に、商品情報管理に関する意識・実態調査を実施しました。調査の結果、1割以上の企業が既にPIMを導入しており、導入を計画している企業は34.3%に至りました。デジタルトランスフォーメーションの進展により、日本でもPIMの認知率が上昇し、導入企業も拡大傾向にあることが分かりました。
調査実施の背景
企業が保有する商品情報は、仕様やスペック情報を中心とするマスタ情報と、販売・マーケティングに必要となるプロモーション情報に大別され、企業内の様々なシステムやスプレッドシート等で管理されています。
顧客ニーズの多様化や世界的なパンデミックの発生によりビジネスが急速にデジタルへシフトする過程で、マーケティングや営業担当者の業務は、ウェブを通じた情報提供に加えて、マーケットプレイスやeコマースサイト、スマートフォンアプリなど、デジタルタッチポイントで顧客への商品情報の提供が求められています。
今回の調査は、デジタル化が進行する日本の製造・小売業の現場で発生している商品情報管理における課題や問題点を明らかにすることを目的として実施したものです。併せて、欧米で導入が進んでいる「PIM」の導入率についても、日本で初めての調査を実施しました。
※商品情報管理 (PIM: Product Information Management) は、企業が保有する各種製品関連情報(マスタ情報)と販売・マーケティングに必要となる情報(プロモーション情報)を一元管理するソリューション。PIMを導入することで、Webサイトやカタログ、ECサイトなどの各種システムとのシームレスな連携ができ、業務の効率性が向上するほか、データガバナンスやコンプライアンスを強化することができる。
調査のハイライト
- 商品情報管理(PIM)の導入状況は?
「知っている」は38.0%、「導入している」が13.0% - マーケティングや営業での「商品情報」の取り扱いにおいて大切な点は?
「商品情報を正確に伝える」65.0%が最多、次いで「商品の魅力を伝える」が60.3% - 自社の取り扱い商品において「商品情報」に該当するものは?
「口コミ」、「SNSでのユーザーによる利用投稿」は、“商品情報に該当していない”と思っている方が8割超え - 「商品情報管理」において、日常の業務での悩み・課題に感じていることは?
「情報が複数のシステムやデータベースに分かれている」が最多 - 商品情報を管理する上で魅力的だと思う機能は?
「商品情報を一元管理できる」76.7%、「さまざまなシステムと連携できる」53.3%が上位
調査のサマリー
マーケティングや営業責任者、または会社経営者・役員に対し、「商品情報を取り扱う上で大切と考える点」を聞いたところ、「商品の情報を正確に伝えること」が65%、「商品の魅力を伝えること」が60.3%と上位に挙がりました。
正確な情報と魅力を伝えるための商品情報について、どこまでが該当するのでしょうか。「会社で取り扱っている商品情報として該当するもの」をお聞きしたところ、「価格情報」が73.3%、「商品説明」が68.7%、「仕様書」が67.0%と続き、主に商品仕様に関する属性が商品情報と認識されていることが分かりました。
一方で、昨今消費者が注視している「口コミ」は12.3%、「SNSでのユーザーによる利用投稿」は11.7%という結果になり、8割以上の方はこれらを「商品情報」として認識していないことが分かりました。
また、自社商品の魅力が顧客に正しく伝わっているかと尋ねたところ、「あまり思わない」が32.7%、「全く思わない」が5.3%と、4割が十分に伝わっていないと感じている結果となりました。自社商品の魅力が伝わっていないと認識している一方で、顧客の「共感」を呼ぶSNS投稿や口コミなどのエモーショナルな情報の適切な管理・活用、感情的なつながりを築くことの重要性についてまだ十分に認識されていないようです。
(複数回答、n=300)
次に「商品情報管理」における悩みや課題に感じていることについて聞いたところ、「情報が複数のシステムやデータベースに分かれている」39.0%が最も多い結果となりました。
2番目に多かった「部署などスタッフによって利用する情報ソースが異なる」24.0%や、3番目に多い「マスタ情報の管理や統制ができていない(できているかわからない)」22.7%からも分かるように、“商品情報が集約されていない”ことに悩み・課題を感じているようです。
(単数回答、n=300)
※ここでいう「リカバリコスト」とは、正しい情報に更新するための作業時間もしくは、それに付随するコストのことを指します。
次に「商品情報管理」において誤記載等があった場合、正しい情報を更新するための時間や、それに付随するコスト=「リカバリコスト」が発生していると思うかを聞いたところ、「思う」と「やや思う」と回答したのは55.7%という結果となりました。
(複数回答、n=300)
商品情報を管理する上で魅力的だと思う機能はどういったものか聞いたところ、「商品データを一元管理できる」が76.7%、「さまざまなシステムと連携できる」が53.3%と情報を取得する際の管理のしやすさや、他システムとの連携できる機能が魅力と思う方が多い結果でした。
6. あなたがお勤めの会社の「商品情報管理(PIM)」の認知・導入状況をお答えください。
(単数回答、n=300)
最後に、前問で多くの企業が商品情報を管理する上で魅力的だと思う機能として挙げられた「商品データを一元管理できる」や、「さまざまなシステムと連携できる」などを叶えることができるツール、商品情報管理(PIM)の認知・導入状況についてお聞きしたところ、「知っている」と回答したのは38.0%、「導入している」と回答したのは13.0%という結果でした。
まとめ 『変化の激しいビジネスニーズに対応するための商品情報管理をPIMで実現』
今回の調査では、増え続けるデータ、多様化する販売チャネル、複雑化する顧客ニーズなどの変化の激しいビジネスニーズへの迅速な対応が求められている一方、商品情報を管理する上で、 “商品情報が集約されていない”ことに悩みや課題を感じていること、商品情報の一元管理や周辺システムとの連携などの業務効率化に対するニーズが高いことが明らかになりました。
多くの企業が商品情報を管理する上で魅力的だと思う機能として挙げた「一元管理」や、「さまざまなシステムとの連携」を実現する「PIM」は、欧米企業を中心に普及してきました。日本でも、DX先進企業でのPIMの導入が進みつつあり、PIM導入率は13.0%、認知率は38.0%、利用意向は34.3%となりました。すなわち、PIMの普及は、イノベーター理論でいうところのメインストリーム市場目前まできていると言えます。
Markets and Marketsの調査によると、PIMの市場規模は2022年の122億米ドルから年間平均成長率(CAGR)14.3%で成長し、2027年には238億米ドルに達すると予測されています。
調査概要
■株式会社Contentservについて
Contentserv(コンテントサーブ)は、商品情報管理(PIM)ソリューションのリーディングプロバイダーです。商品情報管理(PIM)、マスターデータ管理(MDM)、デジタルアセット管理(DAM)を統合した Product Experience Cloudを展開しています。あらゆるチャネルに対して最適化されたリッチ・コンテンツをリアルタイムに提供することによって、企業の持続的な成長とブランド価値の向上を支援します。Contentservは、89カ国で500社以上の小売業や製造業において、営業、マーケティング、情報システム等さまざまな部門で利用されています。
社名:株式会社Contentserv
TEL: 03-6826-6560